大河ドラマの舞台の一つ、岐阜城がある岐阜市の金華山(標高329メートル)周辺で、野生のイノシシと観光客が遭遇するリスクが高まっていることが、岐阜大学などのグループの研究で分かった。都市におけるイノシシの生態調査は非常に珍しい。グループは今後、リスクを数値化して重点対策地域の選定を目指すという。
調査したのは、岐阜大の池田敬特任助教(野生動物管理学)らの研究グループ。2017~18年に市や岐阜森林管理署と協力し、金華山全域(約597ヘクタール)を20区画に分け、約20台の自動撮影カメラを設置して生態を調べた。
岐阜城がある山頂付近から山麓(さんろく)まで網羅し、登山道だけでなく、普通は人が通らない急斜面や獣道も含んだ。各区画ともに地面から約1メートルの木に赤外線カメラを固定し、イノシシが通ると撮影。調査期間中、イノシシが全区域で計約2800回写った。
統計学の手法で撮影時間や分布を分析し、20区画のうち17区画では夜間に撮影されるケースが多かったが、3区画では昼夜に大きな差はなかったという。
イノシシは夜行性だが、昼間に活動する場合、その多くが観光客や住宅地を避ける傾向があったという。ただ、観光客が多く利用する地域で昼間に撮影された事例や、登山道からわずか10メートルほどの地点で撮影された事例もあり、昼間にイノシシと登山者が遭遇するリスクは潜在的に高いことが示された。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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