CSF(豚コレラ)の感染源の一つとされるイノシシ対策に新たな脅威が現れた。イノシシを捕まえようと仕掛けたわなにツキノワグマが引っかかってしまう事例が相次いでいる。岐阜県は、調査捕獲にあたる人たちがクマの被害に遭わないよう、クマの痕跡を見つけたらわなを撤去するなどの対策を呼びかけている。
県によると、昨年6月以降、イノシシの調査捕獲のわなにクマがひっかかる事例が各地で続発している。昨年12月27日現在で、岐阜市、下呂市、中津川市、揖斐川町、垂井町、白川村などで計21頭の錯誤捕獲の報告があったという。
県はCSFの感染拡大を防ぐためにイノシシの調査捕獲に力を入れており、捕獲頭数は2千頭を超えている。県によると、イノシシのわなには「箱わな」と「くくりわな」があり、クマがひっかかっているのは主にくくりわな。イノシシ用のくくりわなは、イノシシより大きな動物がひっかからないよう太い脚は入らないよう設計されているが、比較的脚が細い若いクマがひっかかってしまったとみられる。
昨年はクマの好物のドングリが県内全域で凶作で、冬眠前のクマがえさを求めて里山に出没する事例が増えている。昨年4~9月の県内のクマの出没件数は597件で、一昨年同期の270件を大きく上回る。昨年9月末時点で11人(10件)が襲われ、過去10年で最悪のペースになっている。豚コレラの調査捕獲ではないが、昨年6月には高山市で有害鳥獣捕獲のイノシシ用のわなにひっかかったクマに猟友会の男性2人が襲われてけがをした事例もあった。
わなにイノシシ以外がひっかか…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル