豚やイノシシの伝染病「豚熱」の感染が全国で広がっている。九州ではまだ例がないが、全国屈指の畜産地帯として警戒が強まる。宮崎県は7月26日、農林水産省や大分、鹿児島、熊本各県の担当者も招き、野生のイノシシに対するワクチン散布演習を九州で初めて実施した。
農水省などによると、豚熱は感染した豚などに高熱や下痢などの症状が表れ、高い確率で死ぬため、家畜伝染病に指定されている。
2018年9月に国内で26年ぶりに発生。以来、7月26日現在で19都県の農場や34都府県の野生イノシシで感染が確認されている。22日には兵庫県南あわじ市の農場で感染が確認され、豚約650頭が殺処分されることになった。
糞尿(ふんにょう)や唾液(だえき)からウイルスが排出され、接触などで感染が広がる。感染拡大の原因に考えられるのが、人や車などの移動と野生のイノシシだ。
家畜の豚は殺処分でウイルスの排出が止まるが、野生のイノシシを探し出して完全に駆除することはできない。
そのため、イノシシに食べさ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル