政府は11日、有識者らによる新型コロナウイルス対策分科会を開き、イベント開催における人数制限の緩和などについて議論が交わされた。その後に開かれた記者会見で、西村康稔(やすとし)経済再生担当相は、感染防止策の徹底を「大前提」としたうえで、「イベントについては9月19日から緩和していく」と述べた。期間は11月末までとする。 これにより、最大5000人とされていたイベントの参加人数の制限がなくなる。分科会は政府に対し、地域の感染状況を踏まえた上で緩和の可否を判断する必要があると提言した。
記者会見に同席した尾身茂会長(独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)は、「いまだ医療機関への負荷が続いている状況にあるが、全国的に見れば新規感染者の報告数は緩やかだが減少傾向にある。こうした中、スポーツ・文化活動に関わる大規模イベントを開催したいという期待が高まっている」と指摘。 「地域の感染状況がステージ1またはステージ2相当と判断されれば、マスク着用などの感染防止策を徹底することを前提とし、5000人の人数上限を解除することを検討いただきたい。歓声や声援などが想定されないクラシックコンサートなどについては収容率を100%以内とすることも検討いただきたい」と提言した。「ある都道府県で感染状況がステージ3相当以上と判断された場合には、人数制限を元に戻すことやイベントの中止を含め、慎重な対応をとっていただきたい」とも付け加えた。
分科会が示す「ステージ」とは
分科会は、4つの「ステージ」を以下のように定義している。 【ステージ1】:感染者の散発的発生。医療提供体制には特段の深刻な支障がない段階
【ステージ2】:感染者が増えてきて、医療提供体制への負荷が蓄積する段階
【ステージ3】:感染者の急増および、医療提供体制における大きな支障の発生を避けるための対応が必要な段階
【ステージ4】:爆発的な感染拡大および、深刻な医療提供体制の機能不全を避けるための対応が必要な段階 ステージは、(1)病床のひっ迫具合(病床全体・重症者用病床)(2)療養者数(3)PCR陽性率(4)新規報告者数(5)直近1週間と先週の比較(6)感染経路不明割合――の6つの指標をもとに判断される。 「ステージ3」は、(1)の病床のひっ迫具合:「病床全体」「重症者用病床」ともに、最大確保病床の占有率が5分の1以上、または現時点の確保病床数の占有率が4分の1以上、(2)の療養者数:人口10万人当たりの全療養者数(入院者、自宅・宿泊療養者を合わせた数)が15人以上、(3)のPCR陽性率:10%、(4)の新規報告者数:1週間で10万人当たり15人以上、(5)の直近1週間と先週との比較:直近1週間の感染者が先週を上回る、(6)の感染経路不明割合:50%――が基準となる。 ただ、項目によって基準を上回るものと下回るものが混在することもある。各都道府県がどのステージにあるかについては分科会が決めるものではなく、それぞれの知事に判断が委ねられる。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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