名古屋出入国在留管理局で収容中だったスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)が死亡した問題で、名古屋第一検察審査会は、殺人などの容疑で告訴・告発された当時の局長ら13人を不起訴(嫌疑なし)とした名古屋地検の処分について「不起訴不当」と議決した。議決は21日付。地検は再捜査する。
検審は議決書で、告訴・告発の容疑に含まれなかった業務上過失致死罪の成否を検討。ウィシュマさんが亡くなった昨年3月6日までの3日間は血圧や脈拍を測ることができなかったなど症状が深刻化したことを踏まえ、「(入管側は)生命が危険な状態にあると把握できた可能性が十分にあった」と指摘した。
その上で「その段階で救急搬送の措置を講じていれば救命は可能だった」と述べ、「過失の有無などについて取り調べが不十分と言わざるを得ない」と判断。検察は同罪の成否について再検討するのが相当だと結論付けた。
一方、殺人と保護責任者遺棄致死の罪については、不起訴とした検察の判断を支持した。
検審の議決について、弁護団の駒井知会弁護士は26日の会見で、「殺人罪の起訴相当を目指していたので残念だが、大きな意味のある一歩。検察は真摯(しんし)に受け止めて起訴してもらいたい」と話した。
一方、弁護団は名古屋地裁に…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル