ウクライナでロシア軍の戦車が次々と破壊されたことをきっかけに、陸上自衛隊が保有する戦車の存在意義が問われ始めた。コスト面で疑問視する財務省側に対し、運用面で必要性を主張する防衛省側。23日の日米首脳会談では、岸田文雄首相が「防衛費の相当な増額を確保する決意」を表明したばかり。そんな中、今後の防衛戦略に影響を与えそうな双方の言い分は、それぞれどんな内容なのか。
「引き続き依存することが最適と言えるのか、大きなコストを投下しなければならないのか、必要性について改めて国民に説明を尽くす必要がある」
4月20日にあった財政制度等審議会(財政審)。委員に配布された資料には厳しい言葉が並んでいた。
財政審は財務相の諮問機関で、取りまとめた建議(報告書)は財務相に提出され、予算編成に生かされる。資料は議論のたたき台で、財務省の考え方がにじむ。そこで「課題を抱える装備品」の一例に挙げられたのが戦車だった。
財政審の委員から厳しい意見続々
疑問視されたのは費用対効果だ。その根拠として、ウクライナ軍が米国製の携行型対戦車ミサイル「ジャベリン」でロシア軍の戦車を多数破壊している事実が示された。資料は「対戦車ミサイルを活用することはコストパフォーマンスを高める」と指摘する。
実際、戦車と対戦車ミサイルでは、コストに大きな開きがある。
2022年度予算では、最新…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment