欧州で第2次世界大戦が終結したとされる8日、青や黄のウクライナ国旗の色をイメージした花火が愛知県南知多町の内海海水浴場で打ち上げられた。平和の願いを届けようとこの日、同海水浴場のほか、米国やドイツなど世界10カ国以上でも花火が上がった。
「ドーンドーン」。まだ肌寒さが残る海岸に轟音(ごうおん)が響き渡る。75発が夜空を彩った。直径120メートルもある青と黄の大輪やパチパチと音を立てて広がる花火に、集まった観客からは「きれい」などと歓声があがった。
特別な思いで空を見上げる夫婦がいた。チェボタレフ・ルスランさん(38)と妻のリディアさん(35)は、肩を寄せ合い、夜空を見つめていた。ロシアの侵攻後、ウクライナの首都キーウ(キエフ)から避難をした。4月10日から同県安城市で暮らす。
全国100カ所以上でリレー形式に花火を打ち上げる「#花火駅伝」の一環。コロナ禍の日本を笑顔にしようと、花火製造販売会社の若松屋(愛知県西尾市)が、全国の同業者に呼びかけ、昨年から始まった。
若松屋が担当した内海海水浴場の打ち上げでは、ウクライナの平和がテーマだ。発案した社員の葛西喬介さん(38)は「火薬は戦争ではなく、平和のために使われてほしい」と企画した。両親の知り合いのルスランさんたちを会場に招待し、花火を喜んでもらい、ウクライナへの支援が広がるようにと思いを込めた。
打ち上げ前、ルスランさんは、花火の玉に「へいわをウクライナに」と日本語で記した。花火の音で爆撃を思い出してしまうかもしれない。そんな不安もあった。でも、母国のことを思いながら、妻と祈った。「少しでも早く戦争が終わりますように」(三宅梨紗子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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