ウクライナの彫刻家、公募作に込めた思い モチーフはメキシコの画家

 福岡県行橋市の国際公募彫刻展「ゆくはしビエンナーレ2023」の大賞に選ばれたウクライナ彫刻家フォロディミール・コチュマルさん(52)。1年前に応募した直後、ロシアが母国へ軍事侵攻を始めた。さまざまな困難を乗り越えながら取り組んだ作品のモチーフはメキシコの女性画家。創作に込めた思いは――。

 「ビエンナーレに応募します」。コチュマルさんから彫刻展事務局にメールが届いたのは昨年2月23日。その翌日、ロシアが軍事侵攻を始めた。

 コチュマルさんが住んでいたウクライナ北東部のハルキウ(ハリコフ)は、報道によると侵攻早々に激しい砲撃を受け、市街戦も発生した。

 コチュマルさんは授賞・除幕式を前に行橋入り。1日に記者会見を開き、自宅が損傷し、地域の建物の多くが破壊され、知人が傷ついた様子を話した。

 「戦争のせいで未来が失われた。明日がどうなるか不安だった」「戦争になると、人間はしたいことが出来ない。行きたい所へも行けない」。かみしめるように、そう語った。

 戦況悪化に追われるように…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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