ウクライナ思い、平和の調べ 東金でチャリティー音楽祭、大使が感謝

 ロシアによる侵攻が続くウクライナを支援しようと、城西国際大学(東金市)で9月、チャリティー音楽祭「第1回国際支援音楽祭 頑張れウクライナin東金」が開かれた。ウクライナ人音楽家カテリーナさんが民族楽器「バンドゥーラ」の演奏と歌を披露し、合唱団や木管楽器のバンドも盛り上げた。

 約300人の観客が集まり、100万円の収益金がウクライナ大使館に寄付された。会場でも募金活動があった。冒頭で登壇したウクライナのセルギー・コルスンスキー駐日大使は「皆さんにお会いできてうれしいです。お招きいただき、ありがとうございます」と日本語であいさつした。

 コルスンスキー大使は「今でも2千人余りの避難者が日本国内で避難生活を続けており、残念ながらまだ帰国できない状況が続いている。ウクライナに気持ちを寄せていただいたことには感謝しきれません」と話した。

 東金市の神原久子さん(78)は「どの演奏も楽しく聴かせていただいた。平和を願う大使の切実な思いを聞き、微力ながら私たちも支えていきたいと思った」。小学1年の長女(7)と訪れた山武市の高橋結衣さん(43)は「募金などで少しでもウクライナを応援したい」と話した。

 県によると、ウクライナから県内への避難者は73世帯123人(2日時点)。(近藤咲子)

 ウクライナのセルギー・コルスンスキー駐日大使が音楽祭開催時、報道陣のインタビューに応じた。

 ――音楽祭開催の受け止めを。

 ウクライナに対する応援の気持ちが東京や日本政府だけでなく、全国で感じられてうれしい。東金にも多くのサポーターがいることに感謝する。

 ――避難者に対する県の支援をどう見ているか。

 ゲートとして重要な役割を果たしている。避難者が千葉に到着後、どこに行くのか手続きをして、北海道から沖縄まで受け入れていただいている。長期的な受け入れや就労の機会を避難者に与えてくださったのも千葉が一番最初だった。(避難者が身を寄せている)県内各地を訪問したが、どこでも安全安心な環境で暮らせている。

 ――侵攻から1年半が経ち、避難も長引いている。どんな支援が必要か。

 避難者に必要なことはすべてなされている。安心して暮らせる環境を整備していただいた。唯一お願いしたいのは、滞在が長期化する中での滞在と就労許可。日本語の学習支援は集中的にあり、避難者も社会貢献のためにぜひ仕事をしてもらいたいと考えている。

 今後はお世話になった日本の皆さまに恩返しができるよう、自力で頑張れる態勢を身につけなければならない。人として成長しながら、収入を得て暮らしてもらいたい。

 ――今後の見通しは。

 戦争が終わったら、国外に避難しているウクライナ人が帰国して復興作業に取り組むために、どんな支援が必要かを検討している。インフラの復興のために日本政府とも協力しながら取り組みたい。

 日本は関東大震災や第2次世界大戦、阪神・淡路大震災東日本大震災とさまざまな復興を経験している。惨事の後にどれだけ復興できるか、日本の経験を学びたい。復旧と復興の支援について具体的な作業に入りたい。(聞き手・近藤咲子)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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