ウクライナ警察が検視の研修で来日、福島へ 東日本大震災の経験学ぶ

吉沢英将

 ロシアの侵攻で身元がわからないまま埋葬されている遺体の確認を進めるため、ウクライナの国家警察幹部が来日し、10~14日の予定で検視の研修を受けることになった。日本の警察庁が4日、発表した。東日本大震災で遺体の身元確認を進めた日本警察の技術や経験を学ぶという。

 警察庁によると、来日するのはウクライナ国家警察の鑑識部門の幹部10人。10~11日は東京都内で、身元特定のための実務の流れや、検視にあたる職員の心のケアなどについて警察庁から説明を受ける。日本の警察を知るため、警視庁麻布署を視察する。

 12日に千葉県柏市の科学警察研究所を訪れ、13~14日は福島県に入る。東日本大震災で検視にあたった警察職員から当時の経験を聞き、意見交換し、震災遺構として整備された浪江町立請戸小学校を見学する。

 警察庁によると、東日本大震災で警察は今年2月末現在、岩手、宮城、福島の3県で1万5830人を検視し、99・7%にあたる1万5777人の身元を確認した。

 ウクライナでは万単位の身元不明遺体があるとされ、特定は難航しているという。日本の経験から知見を得ようと、ウクライナ国家警察は国連開発計画(UNDP)を通じ、今年5月に在ウクライナ日本大使館に研修を要請していた。警察庁は「日本の警察は大規模な検視の経験は豊富。ウクライナ側の要望に応えることはできる」と話す。(吉沢英将)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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