村上友里
飲食宅配代行サービス「ウーバーイーツジャパン」(東京)の機密情報を社外に持ち出したとして、東京地裁は、同社ナンバー2の元役員が競合他社で働くことを9カ月間禁止するとの仮処分を出した。期間は昨年5月~今年2月。事業改善計画や顧客分析などウーバーの機密情報が、元役員の転職先で利用される恐れがあると判断した。
決定によると、営業部門の統括責任者だった元役員の男性は昨年、フードデリバリー業界で競合先となる海外企業に転職する直前に、ウーバーの業務用パソコンから大量の機密情報を意図的に持ち出した。
地裁は決定で、元役員が機密情報を退職後にすべて削除したとは認められないと判断。競合他社での勤務禁止期間を定めたウーバーの雇用契約に沿って、元役員の転職先での勤務を禁止すると認めた。「機密資料ではない」との元役員の反論は退けた。
ウーバー側は昨年11月、元役員に約5500万円の損害賠償などを求める訴訟も提起した。元役員側は請求棄却を求めている。(村上友里)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル