言葉の違いや民族間の対立がなくなることを願って19世紀末に考案された言語がある。エスペラント語だ。今は話し手が世界で100万人しかいないとされるこの人工語を世界の共通語として普及させる取り組みに、香川県の元手袋製造会社長が乗り出している。数億円の私財をなげうつという。なぜエスペラント語なのだろうか。
香川県東部に位置する東かがわ市は、日本有数の手袋の産地として知られる。その代表メーカー「スワニー」の元社長、三好鋭郎(えつお)さん(83)は今年1月、ドイツの3紙、フランス、ポーランドの各2紙に、エスペラント語を欧州連合(EU)の公用語として採用を求める新聞広告を掲載した。
広告の見出しは「EUはOK、ユーロもOK、エスペラントは?」。欧州27カ国が加盟するEUがエスペラント語を公用語にすれば、世界全体が変わるとの願いを込めた。7月までの7カ月間、毎月1回ずつ3パターンの1面広告を交代で掲載する予定。「数億円」の広告代は三好さんと家族らが負担するという。
「英語の5倍もの速さで学べ、世界平和への鍵になる、と確信しています」
■簡易な文法…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル