エベレストの頂上から叫んだ「福島再生」  なすびさん

 「東日本大震災の時、私の笑顔で救われたというお声も少なからず頂戴(ちょうだい)致しました。もし私の笑顔で少しでも元気になったりホッと一息、心を安らげられたら」――。

 2月13日の福島県沖を震源とする地震で、10年前の東日本大震災を思い出した人も多いはずです。当選賞品だけですごすテレビ番組の企画「懸賞生活」で知られた福島出身のタレント・なすびさんは地震翌日の14日、ツイッターにそんなつぶやきと自身の笑顔を投稿しました。

【連載】私は忘れない
 私は忘れない――東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から2021年3月で10年。いまも原発事故に絡んで発信を続ける著名人がいます。何を訴えているのか。理由はどこに。それぞれの思いを聞きました。

 その満面の笑みに癒やされてか、「いいね」は約14万に。エベレスト登頂などを通して福島再生の活動を続けるなすびさんに、その思いを聞きました。

 ――1998年1月から約1年3カ月に及んだ「懸賞生活」のあと、ふる里でもある福島の民放で旅番組をしていたそうですね。

 「5年間で県内59市町村全部回って、2度目、3度目という場所もありました。ロケではどこも温かく迎えてくれて。食堂に行くと『お金なんかいらないから、食べて食べて』と。農家さんは『売るほど野菜があるんだから持ってって』とか。

 〈なすび〉 本名・浜津智明(はまつ・ともあき)。芸名はナスのように長い顔にちなむ。1975年、福島市生まれ。俳優、タレント。人気を集めた「懸賞生活」は1998年から1年3カ月に及んだ。東日本大震災以後は福島の復興支援活動に力を入れ、16年5月、4度目の挑戦でエベレスト登頂に成功した。

 福島の方々に愛されているんだなと感じました。スタッフさんから冗談で『なすびさん、福島県内を旅していたら一生食いっぱぐれないっすよ』と言われていました」

 「実は、『懸賞生活』でのむち…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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