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複雑な木の枝かと思いきや、よく見ると、そこにいるのは「ナナフシ」。
枝になりきったような擬態が特徴。
この夏、この虫をめぐる、ある騒ぎが。
「ぐんま昆虫の森」で、とても珍しい発見があった。
ぐんま昆虫の森 昆虫専門員・筒井学さん「こちらがとても珍しい“オス”のナナフシです」
ナナフシモドキとして知られる、このナナフシ。
国内で12例目だという、野生のオスが見つかった。
オスが貴重なのには、ある重大な訳があった。
筒井さん「『単為生殖』といって、メスだけで繁殖する特徴があります。昆虫の森の中にも、たくさん生息しているが、ほとんどがメス」
ナナフシの多くの種類は、オスが見られるのはまれで、特にこの種は、メスだけで繁殖できるという。
オスは、全体が褐色で、胸から腹にかけて白い線があるが、ナナフシの飼育講座に参加した男性が持ち帰った幼虫が、まさにこの特徴を持つオスに成長したそう。
それにしても、メスだけで繁殖できるなら、ナナフシにとって、オスの存在する意味とは。
筒井さん「なぜオスがいるか、これはわたしも端的に答えられない、とても不思議なこと。オスのいる意味は、なかなか簡単にはお答えできない。ただ、ごくまれに誕生するオスは、積極的にメスと交尾する」
こちらの施設では、今回見つかったオスとの交尾で生まれた貴重な卵からナナフシを育て、謎を解明する手がかりにするという。
筒井さん「とてもけなげというか、一生懸命生きている感が伝わる。動きも緩慢だし、とてもかわいらしい昆虫だなと思う」
施設の専門員も絶賛する、神秘に包まれたナナフシ。
メスだけでも繁殖できることについて、街の男性方に聞いてみると、「まれなオス、頑張ってほしい」、「だんだん人間もそうなってしまう可能性がありますよね」、「同じ男性として、解明していただきたい」といった声が聞かれた。
このオスのナナフシ。
6月中旬に生まれたもので、命尽きる日はそう遠くないとみられるが、施設では、そのあとも標本にして、貴重な姿を残していくという。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース