緊急事態宣言が解除されて1カ月余り。東京都心のオフィス街にある飲食店の客足が、昨年実施された国の飲食店支援策「GoToイート」のピーク並みに戻っていることが、飲食店の顧客管理システムを販売する「トレタ」(東京)の調査でわかった。経団連は今月8日、政府が呼びかけてきた「出勤者数の7割削減」を、なくしていく方向で見直すべきだと提言。感染者数の急減とともに、都心で働く人たちの出社率が上がってきているとみられる。
グルメサイトなどを経由して店に入った予約や、直接訪れた客数などのデータを一括管理するトレタのシステムを使う全国約1万店を対象に分析した。
それによると、11月の第2週(8~14日)、東京都千代田区内にある飲食店の来店客数は、コロナ禍前の2019年の同時期と比べて72%まで回復。昨年10~11月に実施された「GoToイート」キャンペーンの期間中、最も客数が増えた時期(11月2~8日)と同水準にまで戻っていた。宣言解除前の今年9月の最終週(27日~10月3日)と比べると、48ポイント増加していた。
東京都中央区内の飲食店の来客数も、同じく74%まで回復。9月最終週より約38ポイント増えていた。
コロナ禍では企業のリモートワークが進み、オフィス街に近い飲食店では客足が大幅に減ったのに比べて、住宅地に近いエリアでの減少幅は小さかった。自宅周辺での飲食機会が増えたためとみられている。
だが、9月末に緊急事態宣言が全面解除された後は、都心のオフィス街の飲食店で客足が増え続けているのに対して、住宅地に近い目黒区内の飲食店の来店客数は11月第2週で前週比8・2ポイント減。世田谷区も同11・7ポイント減だった。
オフィス街の人出も増えている。携帯電話の位置情報から推計したデータによると、千代田区丸の内周辺の11月第2週の平日(8~12日)午前8時~午後6時の人出の平均は、9月最終週と比べて16%増加。国内で感染者数がピークとなった8月第3週から35%増えていた。コロナ禍前の同時期(19年11月)と比べると、84%まで回復していた。
中央区日本橋周辺も同様に、9月最終週と比べて16%、8月の第3週と比べて29%増加。コロナ禍前の同時期比は81%だった。(ニュースデータウォッチ)(牛尾梓)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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