新谷千布美
知床半島沖で26人が乗った観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没した事故をふまえ、オホーツク海域を管轄する紋別海上保安部(北海道紋別市)に15日、大型の巡視船が配備された。同保安部は16日に記念式典を開き、大雪山系にちなんだ船名「だいせつ」を披露した。
「だいせつ」は総トン数1300トン、長さ89メートルで、速力は27ノット以上。道内では、ヘリコプターを搭載する巡視船「そうや」(釧路)や「つがる」(函館)に次ぐ規模になる。
最大の特徴はヘリの離着陸ができることだ。知床の事故当時、最も近い釧路航空基地のヘリは別の業務中で、燃料補給などのため一度基地に戻る必要があり、現場到着まで3時間以上かかった。今後は海上での燃料補給が可能となり、到着時間の短縮が期待できる。
元々は巡視船「はてるま」として石垣海上保安部(沖縄県)で尖閣諸島周辺の領海警備などにあたっていた。暖房を取り付けるなど、北国仕様にしたという。
船と共に紋別へ異動した厂原(がんばら)隆俊船長(59)は「ロシアと接するオホーツク海でも日本漁船の保護は重要だ。波が高いときも対応できるよう乗組員と訓練を重ねたい」と話した。(新谷千布美)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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