沖縄県は18日、県内で新たに男女2人が新型コロナウイルスの変異株オミクロン株に感染したと発表した。米海兵隊キャンプ・ハンセン(金武町など)に勤める米国籍で軍属の50代女性と、その夫で日本国籍の60代男性。また米軍からはキャンプ・ハンセンで新たに59人の新型コロナへの感染が確認されたと県に報告があった。同基地内でのクラスター(感染者集団)は計158人となった。
17日に感染が判明した同基地従業員の50代男性も含め、県内のオミクロン株確認はこれで計3人。一方、クラスターについては、米軍基地内にゲノム解析の機器がなく、オミクロン株によるものかは不明。県が日本側での解析を申し入れているが、米軍側は個人情報保護を理由に断っているため、疫学的な関係は明らかになっていない。
県によると、夫婦は基地の外に住んでいる。ワクチンを2回接種しており、50代男性との接触は確認されていない。感染経路は調査中で、濃厚接触の疑いがある人が基地内外で約60人いるという。
一方、50代男性の濃厚接触者のうち、新たに1人の感染が判明した。県はゲノム解析を行ってオミクロン株かなどを調べる。
また県によると、基地内では米国などから着任した軍人らについて、ワクチンを2回接種していれば待機期間などを設けず、行動を制限しない運用になっていたことがわかったという。日米地位協定では、米軍関係者は検疫について国内法の適用外となっている。今回の158人についても、隔離されるまでは基地内を自由に行動していた可能性があるため、県は対策の強化を米側に要請する方針。
キャンプ・ハンセンでは昨年7月にも、米本国などからの入国者によるクラスターが発生した。県はその際、着任する米軍関係者について検査が陰性でも2週間の隔離を行うことを米軍に確認していたが、その後の運用について米軍から説明はなかったという。(国吉美香)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル