藤谷和広
東京ディズニーランド(TDL)のキャラクターショーに着ぐるみに入って出演していた女性契約社員(41)が、「体調を崩したのはパワーハラスメントが原因」などとしてTDLの運営会社オリエンタルランドに330万円の賠償を求めた訴訟の判決が29日、千葉地裁であった。内野俊夫裁判長は、職場環境を調整する義務に違反したとして同社に88万円の支払いを命じた。
判決によると、女性は2013年、業務中に指にけがをし、労災申請をしようとした。その際、上司から心の弱さを指摘され、過呼吸の症状などに陥るようになった。体調面から配役について希望を出すことが多くなった女性に不満を持つ共演者が増え、職場で孤立するようになった。だが、相談した別の上司から「我慢できねえなら、辞めちゃえよ」などと言われた。
原告側はパワハラだったなどと訴えたが、判決は「違法とまでは言えない」と指摘。一方で、「(同社が)職場環境を調整することがないまま放置し、原告は周囲の厳しい目にさらされ、著しい精神的苦痛を被った」とした。
女性は判決後の会見で、「おかしいと声を上げたことを認めてもらい、本当にうれしい」と話した。同社は「主張が一部認められなかったのは誠に遺憾」とするコメントを出した。(藤谷和広)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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