大野正美
北方領土問題をオンラインによる「ビンゴ大会」を通じて啓発する催しが、2月19日に開かれる。北方四島元島民の2世など後継者でつくる「千島連盟根室管内後継者連絡協議会」(後継連)が、コロナ禍で実施が思うにまかせずにいる啓発事業の打開をめざして企画した。
後継連は、根室市、別海(べつかい)、中標津(なかしべつ)、標津、羅臼(らうす)の各町の千島連盟支部の後継者らでつくり、標津(しべつ)支部の択捉(えとろふ)島2世、小野瀬稔之さん(60)が会長を務める。
全国の青少年に北方領土問題を知ってもらうため、船から国後(くなしり)島を間近に見て北方領土の近さと大きさを実感したり、元島民の語り部の話も聞いたりする夏の「洋上セミナー」を主に手がけてきたが、コロナ禍で2年連続で実施できなかった。このためオンライン会議システム「Zoom」を使ったビンゴ大会を開き、全国から青少年の参加を募ることにした。
ビンゴでは、島名や泊(国後島)、穴澗(あなま)(色丹〈しこたん〉島)などの集落名、ニキシロ湖(国後島)や単冠(ひとかっぷ)湾(択捉島)などの地名が25ずつ記されたカードが割り当てられ、先に「ビンゴ」になった10人が景品をもらえる。
景品は各市町の特産食品セットで、5千~4千円台のもの。標津町「さけ削りぶし」▽別海町「北海シマエビ」▽羅臼町「天然花折昆布」▽中標津町「ビーフジャーキー」▽根室市「色丹島元島民の語り部、得能宏さん(87)の一夜干しほっけ」――など。
催しは2月19日午後6時から。小野瀬会長のあいさつに続き、元島民2世が四島への熱い思いを語ったあと、ビンゴ大会に移る。すでに受け付けが始まっており、申し込みはhttp://bingo.chishima.org/から。定員98人に達したら締め切る。(大野正美)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル