中山由美記者は2019年、3度目となる南極取材に向けて出発しました。隔絶された世界で、何が待っているのか。1年3カ月に及ぶ南極での生活を報告します。
ホワイトメール
午前5時半、白い世界がオレンジ色に染まり出す。
2020年10月、太陽が出ている時間が長くなり、気分も明るくなる。ただ焦りも募る。夜が短くなればオーロラを見られるチャンスも減る。逃しちゃいけない! 星が出たら撮影用意。深夜までねばった後はインターバル撮影を設定し、寒空の下にカメラを残し、眠りにつく。「バッテリーは持つか、三脚は倒れないかな」と不安はある。でも、カメラを盗まれる心配はここにはない。
早朝、氷のように冷え切ったカメラを撤収し、ドキドキしながらデータをチェック。運が良ければ、連続写真で光の舞いが拝める。
帰国の話題も聞こえ始め、そ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル