佐野楓、石垣明真
北海道斜里町の知床半島沖で26人が乗った観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没した事故は、23日で発生から2カ月を迎えた。町役場入り口に設けられた献花台には、いまだ行方がわからない12人の発見を願い、手を合わせる人々の姿が見られた。
観光で知床に来て、この日、献花台を訪れた岐阜県の男性(65)は「まだ見つかっていない人も多く、本当に可哀想だと思う」と話した。
献花台は遺体安置所となった町営体育館に設けられていたが、今月6日に町役場に移設された。献花は事故後、計1254件(今月22日現在)あったという。町保健福祉課保健担当主幹の茂木千歳さんは「町は普段の生活に戻りつつあるが、献花台の花が絶えないということは、それだけ大きな事故だったということ」と話す。事故直後から町営体育館に詰めて家族の対応に当たるとともに、献花台の花の世話を担当してきた。「花を見るたびに切なくなるが、できるだけ花をきれいに保って、皆さんの思いを届けたい」
一方、道警はこの日、21日から行っていた現場周辺海域や沿岸部での集中捜索を終了した。行方不明者の手がかりは見つからなかったという。
道警警備課によると、この日も、警察官約40人が警備艇2隻やヘリ1機も用いて、根室半島北側の沿岸と海域を午前9時~午後5時ごろ捜索した。この日で、発生後から続けてきた警備艇での捜索はいったん終了するという。今後は、日常業務のパトロールの中で捜索を続けていく。(佐野楓、石垣明真)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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