北海道・知床半島沖で起きた観光船「KAZUⅠ(カズワン)」の沈没事故では、安全運航のための規定を運航会社が守っていなかったとみられている。その重大性を、地元の「海事代理士」に聞いた。
「運航基準は、大事なお客さんを乗せた観光船が事故を起こさないよう作っていて、運航のための条件を何重にも設けている。違反はありえない」。朝日新聞の取材に対し、そう話したのは北海道根室市の海事代理士、平賀禎彦さん(64)。同じ道東のオホーツク海で沈没事故が起き、その運航会社「知床遊覧船」(斜里町)は、安全のための「運航基準」に違反して航行していたと認めた。
海事代理士とは、観光船など海運事業者への法的な助言や、船舶関連の法令に基づく申請・登記業務などを担う国家資格だ。その仕事から「海の司法書士」「海の行政書士」とも呼ばれる。一般社団法人・日本海事代理士会のホームページによると、2020年2月時点で、全国で2152人が海事代理士として登録している。
約3時間かけて往復する長時間の航行 怠られた「定点連絡」
従事して約20年の平賀さん…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル