カップ麺「ありがたい」が… 疲労で持病悪化、避難生活に募る不安

 能登半島地震で、大きな津波被害を受けた珠洲市三崎町寺家。

 13日昼、避難所となっている下出集会所では、避難している13人の被災者はカップラーメンや魚肉ソーセージなどを昼食にとっていた。

 下谷(しもや)キヨさん(81)は「カップラーメンで十分ありがたい」と、物資を運んでくれた人々に感謝した。

 下谷さんの自宅も地震で壊れた。

 「家に帰る気にはならん。ここにいたほうがいい」

 一方、10日以上続く避難生活で、持病の頭痛めまいが悪化。「ここでの生活は、気分的に疲れるから」ともこぼす。薬は持参し、医師が避難所を訪れているというが、症状は改善しない。

 下出地区の区長・出村正廣さん(76)によると、下出集会所には地震直後、70~80人が避難した。津波と地震で道路が寸断され、一時は孤立集落となったが、隣の地区の住民が、持ち出した畳などで道路の段差を埋めるなどして自力で道を開通させた。住民たちは津波がひいた後、自宅から米やみそなどの食料を持ち出し分けあって食べてしのいだという。

 「水道が戻るまで1年かかるか、2年かかるか……。復旧しないことには家に帰れない」

 先の見えない避難生活に不安を募らせている。(田辺拓也)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment