カヌーで旅をする「ツーリングカヌー」の先駆者で、作家の野田知佑(のだ・ともすけ)さんが27日、死去した。84歳だった。葬儀は30日に近親者で行った。
1938年に北九州市で生まれ、少年時代に熊本県江田町(現・和水町)へ疎開。町内を流れる菊池川で遊んだことが川と触れあう原体験となった。
63年に早稲田大学文学部を卒業後、アルバイトでためた金で欧州を放浪。このとき、キャンプ道具を積んで川下りするツーリングカヌーの楽しさを知った。
70年にフリーライターになり、82年に「日本の川を旅する」で第9回日本ノンフィクション賞新人賞を受賞。北米のユーコン川、カナダのマッケンジー川など世界中の大河を旅するなど、日本のカヌーイストの第一人者として知られた。
川辺川ダム(熊本県)や長良川河口堰(かこうぜき)(三重県)、吉野川可動堰(徳島県)の反対運動にもかかわり、2000年には徳島県に移住。川遊びが好きな子どもを育てる「川の学校」の校長も務めた。ほかの著書に「カヌー犬・ガク」など。チキンラーメン(日清食品)のCM出演でも知られる。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル