根津弥
宮城県気仙沼市教育委員会は2日、市立小中学校12校の給食で、食品衛生法の基準値を超えるカビ毒が検出された小麦を使用していたと発表した。納入した県学校給食会に情報が来ていたが、連絡漏れで給食の提供を防げなかったという。
気仙沼市教委によると、同日正午現在、3人の小中学生が軽い吐き気などで医療機関を受診した。ただ、市教委は「食材との因果関係は明確にできないと診断を受けた」としている。
対象の小麦は岩手県産で、せんべい汁のせんべいの原料に使われていた。県学校給食会が気仙沼中央給食センターに納入し、1日に2282人の児童・生徒、教職員が食べた。
県学校給食会によると、11月28日夕、取引先から原料の小麦でカビ毒が検出されたと連絡があった。使用予定だった県内の給食センターや学校17カ所に伝えたが、気仙沼中央給食センターへの連絡が漏れていた。同センターへの連絡は給食で食べた後の1日午後2時10分だったという。
県学校給食会物資課の担当者は「あってはならないことで、今後は複数の職員で連絡先を確認するなどの改善が必要だ」とした。
カビ毒はデオキシニバレノール。大量に摂取すると嘔吐(おうと)などの症状が出る可能性がある。11月以降、県内5市町ですでにこのせんべいを給食として提供しているが、健康被害は報告されていないという。(根津弥)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル