金子和史
カメルーン人の男性(60)が、難民と認めなかった国の処分の取り消しを求めた訴訟で、東京地裁(市原義孝裁判長)は17日、「迫害の恐怖を抱くような客観的事情に該当する」として、処分を取り消す判決を言い渡した。
判決によると、男性は本国の労働組合で反政府活動をしたとして、政府から逮捕状を出された。2012年に来日して難民申請したが、認められなかった。
訴訟で国側は、労働組合への参加を裏付ける証拠がなく、男性が提出した逮捕状は本物とは言えないなどと主張。だが判決は、逮捕状には具体的な事実関係の記載がないものの「真正さに疑義があるとまではいえない」と指摘。現地の新聞に逮捕状が出ていることを伝える記事もあり、「難民に該当していた」と結論づけた。
男性の代理人を務めた吉田幸一郎弁護士は「入管が労力を惜しまずにきちんと審査をすればもっと早く認められたと思う。難民認定に後ろ向きな国の姿勢が、審査結果に反映されているのではないか」と話した。(金子和史)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル