大阪市北区天神橋4丁目のカラオケパブで経営者の稲田真優子(まゆこ)さん(25)が殺害された事件で、稲田さんとみられる人が11日夕に店があるビルに入る姿が防犯カメラに映っていたことが、捜査関係者への取材でわかった。翌12日も店が開いていなかったとの証言があり、府警は11日の営業終了後に殺害されたのではないかとみて調べている。
捜査関係者によると、ビルのカメラに稲田さんらしい人物が建物に入っていく様子が映っていた。稲田さんはビル5階にある「ごまちゃん」を経営し、店は11日夕方から夜にかけて営業していたとみられている。
翌12日は午後3時から開店の予定だったが、男性客が午後5時半ごろに訪れると店は営業しておらず、ドアに鍵がかかっていた。
13日午後に女性従業員が出勤した際もドアは施錠されたままで、女性は「稲田さんと連絡が取れない」と110番通報した。曽根崎署員が店を訪れ、稲田さんの携帯電話を鳴らしたがつながらず、店内から着信音も聞こえなかったという。
14日午前、ビル関係者らが店内で倒れている稲田さんを発見した。稲田さんの首付近に深い切り傷があり、胸付近も含め多数の刺し傷があった。捜査関係者によると、タオルとみられる布が顔にかかっていた。店内はコップや皿が片付けられた状態で、荒らされた形跡はなかった。凶器らしきものも見つからず、鍵も発見されていないという。
府警は、稲田さんが11日の営業終了後、店内の片付けを終えた後に襲われたとみて、稲田さんと接点のある人物への聞き込みや、周辺の防犯カメラ映像の解析を進めている。15日に遺体の司法解剖を実施する。
店をよく訪れていたという20代の男性は「店を休む場合はいつも事前にSNSで報告していたのに、12日はそれがなかった。(稲田さんは)律義で礼儀正しく、見送る際には腰を90度ぐらいに曲げてお辞儀をしていた。客に愛されていた」と話した。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル