山本知佳
本格的な大学入試シーズンを前に、文部科学省は16日、大学生や予備校講師、受験生ら向けに、カンニングなどの不正に関わらないことや、募集要項などに書かれている不正行為の取り扱いを確認するよう呼びかける通知を出した。今年1月の大学入学共通テストで、試験中に問題が流出した事件を受け、初めて通知した。
今年1月の共通テストでは、受験生がスマートフォンで問題を撮影し、協力者を経由して、事前に依頼していた大学生に画像を転送して解答を求めていた。偽計業務妨害の非行内容で受験生は家裁に送致され、協力者は偽計業務妨害罪で略式起訴された。
通知は、大学、予備校、高校向けの3種類。大学へは、学生が不正行為に関わらないように注意喚起を行うよう求めた。高校へは、不正行為の取り扱いなどについて記載のある募集要項などを、十分に確認するよう受験生に周知することを求めた。予備校には、指導者と受験生、それぞれに対して注意喚起を行うよう求めた。
大学、予備校向けには、不正に関与してしまう例として、「時間内に解答を返信してほしいなどの依頼に応じる」「SNS、匿名掲示板等に投稿された問題に解答する」などと具体的に説明。不正行為と知りながら受験生に協力した場合、「刑事罰を科される可能性がある」と明記した。
文科省の担当者は「不正は入試の公平性を損なうもの。再び起こらないように注意喚起をすることにした」と話した。
来年の共通テストは本試験が1月14、15日、追試験が同28、29日に行われる予定。(山本知佳)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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