ガザ地区に伝わる刺繡、日本で販売 難民女性へ「日常を取り戻して」

 パレスチナ自治区ガザ地区に、伝統の刺繡(ししゅう)で生計を立てる女性が数百人いる。フランスの老舗刺繡糸メーカーDMCの糸を使用し、ポーチにするときのファスナーはYKK。高品質で日本の百貨店でも扱われ、貴重な収入源となっている。「貧しさや悲しみから立ち直るための糧になっている」と携わる女性は語る。

 日本でガザの刺繡を販売するオンライン店「パレスチナ・アマル」(大津市)の代表、北村記世実さん。

 1999年、ボランティアでガザを訪ねた。ある家庭は、貧しいのに親戚からお金を工面したのか、米を使ったパレスチナの家庭料理「マクルーバ」を振る舞ってくれた。忘れられないスパイシーな味だった。

 もう一つ忘れられなかったのが、刺繡だ。「素敵でしょう」と言いながら、刺繡を施した伝統衣装を着させてくれた。パレスチナでは刺繡の縫い方を母から娘へ伝えるのが伝統になっている。「この刺繡が、彼女たちの誇りなんだ」

 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、パレスチナ難民を支援するため、ガザやヨルダン川西岸地区などで活動している。ウェブサイトによると、刺繡製品をつくる「スラファ刺繡センター」を1950年に設立した。

 織り手は難民の女性で、夫に…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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