ガラス越しでも会いたい 母の日、施設で短い面会

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で迎えた10日の「母の日」。多くの介護施設では集団感染防止のために入居者と家族の面会を禁止しているが、東京都内の施設では、入居する母とガラス越しに手を合わせ、感謝の思いを伝える娘と孫の姿があった。

 「お母さん、元気? いつもありがとね」「おばあちゃん、ちゃんと勉強しているから心配しないで」

 山本友恵さん(52)は娘の珠緒さん(20)とともに、母親の鶴田広子さん(85)が入居する介護付き有料老人ホーム「杜(もり)の癒(いや)しハウス文京関口」(文京区)を訪ねた。

 鮮やかな桃色と赤色のカーネーションや夏服のプレゼントを携え、1階の共用スペースのガラス越しに面会。施設側が用意した専用の携帯電話で感謝の思いを伝えると、ガラスの向こうで笑顔の花が咲いた。

 施設は2月20日から、集団感染防止のために面会禁止としたが、「顔だけでも見たい」という入居者や家族の要望が強く、3月末からは専用の携帯電話を面会に訪れた家族と入所者に渡し、ガラス越しに面会できる運用を始めた。

 友恵さんは「高齢者はSNSやテレビ電話は苦手なので様子がよくわからない。母の元気な姿を直接見ることができて安心しました。本当にありがたい」と話した。(藤原伸雄)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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