笠原雅俊
この夏、高知県を流れる清流・四万十川に「恋の石」が三つ現れた。倒れても倒れても七転び八起きのごとく起き上がる石として有名になったハート形の石。新たに二つが加わって三つが寄り添い、まるで家族のようだ。コロナ禍の一日も早い終息への願いが込められている。
元祖「恋の石」は、四万十川に架かる半家(はげ)沈下橋(四万十市西土佐半家)のたもとに立つ、高さ45センチ、幅40センチ、重さ約15キロの大きな石だ。愛媛県松野町のフィールドガイド・滝本英敏さん(55)が4年前の夏、川底で見つけたハート形の石を「四万十川の象徴になる」と、河原に立てた。
以来、台風や洪水で石が倒れる度に立て直した。「恋の石」として、全国的に知られるようになり、県内外からカップルや女性客が訪れる新しい「恋の聖地」となった。
3日朝、「恋の石」の横に大小二つのハート形の石が並んでいた。真夏の太陽に三つのハートが映える。
滝本さんに聞いてみると、今月1日、滝本さんが所属するアウトドアツアーを企画する「フォレストキャニオン」(松野町)のガイド仲間が立てたという。河原にある無数の石の中からハートの形をした2個の石を見つけて並べた。「恋の石」にそっとキスをするような大きな石と子供のような小さな石。笑顔の3人家族をイメージしたという。
滝本さんは「お客さんの健康と安全、そしてコロナ禍が一日も早く終息して四万十川に観光客が戻ってくるように願いを込めたそうです」と話している。(笠原雅俊)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル