中央アルプスで環境省が進める国の特別天然記念物・ライチョウの「復活作戦」が最終段階に入った。10日、動物園で繁殖させたヒナ16羽を含むライチョウ22羽が空路で木曽駒ケ岳(標高2956メートル)山頂付近に運ばれた。保護ケージの中で、ヒナたちは元気に動き回ったり、飛んだりしているという。1週間ほどケージの中で環境に慣れさせた後、放鳥される予定。
この日、木曽駒ケ岳の山頂付近は朝から霧に覆われていた。当初は早朝に発つ予定だったヘリコプターは出発延期に。正午ごろに霧が明けるとみて、那須どうぶつ王国(栃木県那須町)からヒナ16羽と母鳥3羽を乗せたヘリが午前11時10分に出発。だが、正午を過ぎても霧は晴れず、直前で着陸を断念し、ふもとのヘリポートに移動した。茶臼山動物園(長野市)からの成鳥3羽も合流し、そこで次の機会を待った。
段ボール箱に入ったまま長時間を過ごすことはライチョウのヒナの体力を消耗させる。午後2時を過ぎても、山頂付近の霧は深いまま。環境省の職員らは空路をあきらめ、陸路での移送に切り替えることを決定。ヘリなら10分程度で済むところを車とロープウェー、徒歩で計1時間半ほどかけて運ぶことになる。環境省職員が方針変更を報道陣に説明している最中、別のスタッフが叫んだ。
霧が「開けた!」 叫んだスタッフ
「開けた!」…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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