クマとともに生きるには 未明の山、響いた「ベアドッグ」のほえ声

【動画】長野・軽井沢でクマを山に追い返す「ベアドッグ」の取り組みに密着した=小林一茂、遠藤和希撮影

 この秋、全国で相次ぐクマの被害。国内有数のリゾート地、長野県軽井沢町では、被害防止につなげようと人里に近づくクマを山に追い返す「ベアドッグ」と呼ばれる対策犬を全国に先駆け2004年に導入。クマとの共存をめざす取り組みが実を結び、10年を最後に人の生活域での人身被害がなくなるなど効果が表れている。

 小雨が降る11月中旬の午前4時過ぎ。真っ暗な林道。対策を進めるNPO法人「ピッキオ」の田中純平さん(49)が、注意深く軽ワゴンを走らせる。

 時折立ち止まっては、辺りにアンテナを向ける。一定の間隔で「ピッピッピ」と鳴るシグナルが、急に音が強くなる。いくつかの地点を巡って地図に線を引き、発信器がついたクマの位置を特定した。近くに、別荘などがあるエリアだ。

 後部座席のドアを開けると、ベアドッグのレラが飛び出してきた。山中をじっと見つめ、田中さんを見てクンクンと鳴く。

 「レッツゴー」

 一目散に林道側面の急坂を登…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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