古畑航希 松尾一郎
全国で相次ぐクマの人身事故に対応するため、捕獲や生態調査に国の交付金が出る「指定管理鳥獣」にクマが追加される方針が8日に決まり、北海道内ではヒグマ対策の進展への期待が高まっている。一方で、支援の内容がまだ分からず、地域の実情に沿ったものになるか不安視する声も出ている。
鈴木直道知事は昨年11月、他県と連携して指定管理鳥獣への追加を国に要望しており、「スピード感を持って対応をいただいたことに感謝を申し上げたい」と評価した。より精度の高い個体数調査や詳しいモニタリングへの財政支援が充実すれば、「絶滅を防ぎながら、地域で何頭捕獲すれば市街地出没を抑制できるか割り出し、人とクマのよりよい環境につながる」(道ヒグマ対策室)との期待も高まる。
約197万人が暮らす大都市・札幌市でも、ヒグマの出没が相次ぎ、2021年には市街地に出没したクマに襲われた4人が負傷している。秋元克広市長はこの日の記者会見で、追加指定について「クマ対策への大きなひとつの転換点になるのでは」と言及。「今後、環境省から出される方針に沿って、北海道とも連携をしながら市民の安心安全を守っていきたい」と話した。
ただ、支援の内容がまだ分からないことについて道の担当者も「白紙の状態」と表現。鈴木知事は「地域の実情を踏まえた取り組みになるように、東北各県とも連携をして、国に(支援を)求めていきたいと考えている」と述べた。(古畑航希、松尾一郎)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル