JR福島駅(福島市)から車で30分ほど。果樹園と住宅が点在するのどかな地区に、男性(74)は70年以上暮らしてきた。いまは、一人暮らしの身だ。
5日午後4時半ごろ。男性が母屋の勝手口から屋外に出て、約4メートル離れたトイレのドアノブに手をかけようとした時だった。
突然、トイレがある建物の脇から黒い物体が音もなく現れた。
「ぬいぐるみ?」「にしては大きすぎる」
目が合った。
体長約1メートルのツキノワグマだった。
静かに向かってくるのを、持っていた杖で追い払おうと試みた。
後ろに転倒、そこに…
すると、建物の逆側から、今度は半分ほどの体長の子グマが現れた。
親子とみられるクマに両側から挟み撃ちにされ、追い込まれた男性は、思わず後ろに倒れ込んだ。
親グマが爪を立てて覆いかぶさってきた。額を2カ所引っかかれ、両手首にも3カ所、爪が当たった。
「死ぬかもしれない」
「あー! あー!」
そう感じた時、とっさに言葉…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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