プラダの2021年秋冬レディースコレクションが、無観客のショー映像で発表された。ミウッチャ・プラダと、ベルギー出身の人気デザイナー、ラフ・シモンズの協業による2度目のレディース作品となる。クラシックなスタイル中にも、身体性の表現や華やかな装飾性、相反する要素の融合などを取り込んで、現代的な服の可能性とは何かを問いかけるようなコレクションだった。
今回のインスピレーション源は「変化と変容、開かれた可能性というコンセプト」。それを実現するためにキーアイテムとしたのは、1月に発表したメンズと同様に、体の自由やエネルギーを表すストレッチジャカードのボディースーツ。レトロな幾何柄を施し、伝統的なテーラードジャケットやコートに重ね着されて、不思議な存在感を漂わせる。
コートは黄色など明るい色で、まゆのように身体を包みこむビッグシルエット。内側をカラフルなフェイクファーやスパンコールで飾ったアウターは、前を手で閉じるモデルのしぐさによってさらに優雅なムードに。
素材はこのブランドが得意とする再生ナイロンが多く使われ、フェイクファーなどの異なる質感の素材と組み合わされた。ブランドによると、「シンプルさと複雑さ、優雅さと実用性、制限と解放など両極の間にある点を探った」という。
ショーの後にはミウッチャ・プラダとラフ・シモンズが、米デザイナーのマーク・ジェイコブスや、オランダの建築家レム・コールハース、米国の俳優で映画監督のリー・ダニエルズらと対談をする様子が流された。世界的なコロナ禍の下で、生活者にとって今後重要になるものとして、文化やアートが挙げられ、そんな流れの中でファッションが成しえることなどが話し合われた。(編集委員・高橋牧子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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