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7日に発表された全国の新型コロナウイルスの重症者数は6日から11人増え、過去最多530人となりました。4日連続で500人を超えています。
こうしたなか、大規模なクラスターが発生して医療体制がひっ迫している北海道旭川市と、重症病床の使用率が70%に迫っている大阪府が、自衛隊による看護師の派遣を要請しました。 先月に感染拡大した旭川市では、今月に入って感染者数は減りつつありますが、1週間で26人が亡くなっています。感染拡大の原因は病院で発生した大規模クラスターです。187人の集団感染が確認された吉田病院では、医療スタッフ50人以上が感染。さらに、市内に5つある基幹病院の1つ、旭川厚生病院でも237人が感染する国内最大のクラスターが起きました。
旭川市・西川将人市長:「自衛隊の派遣要請を行うことを決定した。最大限努力してどうにもならなかった時の最後の手段」
北海道は国と調整して、8日以降、鈴木知事が自衛隊に派遣を要請するとしています。 ただ、医療現場は、すでに2週間ほど前から、自衛隊の看護師を派遣するよう求めていました。
吉田病院に続き、7日からは旭川厚生病院と、クラスターが起きた2つの病院に応援に入っている。北海道医療大学の塚本容子教授は「支援を出す目安が必要だ」と話します。
北海道医療大学・塚本容子教授:「もう少し早ければ良かった。クラスターが起きたらすぐ派遣する。今後を考えた時に、自衛隊だけじゃなくていいと思うけど、例えば看護スタッフが10%欠けた段階で要請などの基準が必要。そうすると、早かった遅かったにならないと思うので、早めに支援を出す目安が必要かなと」 基幹病院として旭川厚生病院と共に地域医療を担ってきた、市立旭川病院では、緊急性が低い患者に、受診を控えるよう求め、外来を制限するなど、受け入れ体制確保のため、綱渡りの状態が続いています。
市立旭川病院・斉藤裕輔院長:「厚生病院が診療を休止している状況なので(診療を)引き受けないといけない状況が生じ、各基幹病院がかなりひっ迫している状況。もしこれで基幹病院がもう1つ、市立旭川病院・旭川赤十字病院などでクラスターが発生して診療停止になると、旭川は間違いなく医療崩壊が起きます。救急がまず回りません。救急患者を全く受けることができなくなります」 重症者が増え続ける大阪府の吉村知事は、15日に稼働する予定の重症者専用の医療施設『大阪コロナ重症センター』の視察に訪れました。大阪コロナ重症センターの病床は30床で、すべてに人工呼吸器が備えられています。しかし、必要な看護師130人のうち、約50人のめどがついていません。
大阪府・吉村洋文知事:「人工呼吸器の装着やケアのできる、経験のある看護師さん。我こそはという人がいたら、ぜひこちらにご連絡を頂けたら」
吉村知事は、自衛隊に看護師の派遣を要請していることを明らかにしました。 こうした動きを、医療現場はどう見ているのでしょうか。大阪狭山市にある、近畿大学病院の重症病床は、残り1床となっています。
近畿大学病院・東田有智病院長:「今コロナ以外で入院している患者がコロナを発症した場合、もっていく所がなくなってしまうんですね。一般病棟の個室内で管理しないといけなくなってしまう。そしたら感染のリスクは非常に高いわけですよね」 大阪府の吉村知事が看護師の派遣を呼びかけていることについては…。
近畿大学病院・東田有智病院長:「それなりの技術も持った知識も持った人が必要なので、もうどこも(看護師が)余ってない、余裕ないんですよ。冬場は特に心筋梗塞(こうそく)や脳卒中などの疾患が増えてしまう」 千葉県内では6日、高齢者施設や障害者施設で、合わせて3つのクラスターの発生が発表されました。我孫子市の施設では、重度の知的障害がある107人が暮らしています。今月1日、1人の利用者に38度の発熱が見られ、翌日に医療機関でPCR検査し、陽性が判明します。すぐに、濃厚接触者などの検査を希望しましたがかなわず、検査ができたのは4日。職員と利用者全員を調べたところ、利用者6人の陽性が判明しました。そのうち4人は入院しましたが、無症状の3人は調整が難航し、今も施設内の個室で生活しています。
施設長:「(Q.感染した人はコロナにかかった認識は?)ありません。症状が悪化していれば、入院先も決まっていくと思いますが、無症状に近いと、なかなか入院先が見つからない」 職員は県の専門チームの指導を受けて対応にあたっていますが、食事や着替え、排泄などを介助するため、接触を避けるのは難しい状態です。
施設長:「我々の仕事が、そもそも対面での介護・介助が前提。ソーシャルディスタンスを取っては仕事にならない。その人たちの生活を助けられない」
Source : 国内 – Yahoo!ニュース