2~3月にかけて利用者5人の感染が確認され、クラスター(感染者集団)が発生した千葉・市川市のスポーツクラブ「エースアクシスコア市川店」が1日、感染防止対策を徹底し、約2か月ぶりに再開した。
午前10時の開店前に既に約5人が来店。通常と同じ約10人がヨガレッスンを受けるなど、再開を待ちわびた利用者の姿があった。小山勝チーフマネジャー(40)は「再開できてホッとした気持ちもありますが、コロナの脅威は常に身近に潜んでいる。不安と期待が入り交じっています」と話した。
最初に利用者3人の感染が2月25日に報じられた。小山さんは「『え! ウチが?』とビックリした。パニック状態でした」と振り返る。保健所などと相談し、同日から休業し、消毒作業を行った。3月16日から一部再開も、緊急事態宣言を受けて4月9日から5月31日まで再び休業となった。
当初は、会員から利用状況を確認する問い合わせが殺到し、部外者からは「ウイルスの巣窟だ」「近隣の店も閑古鳥が鳴いている。どうしてくれるんだ!」などの電話が鳴りやまなかったという。感染した計5人の利用日時はバラバラで、感染経路も特定されず、濃厚接触者として健康観察の対象となったのは計約800人にものぼった。
約2000人いた会員は、2~5月で約600人が退会し、約400人が休会した。「月会費が大きな収益なので、会員様がいないと商売が成り立たない。(会員数を)戻すのはイバラの道だと思います」と小山さん。一方で「再開いつなの?」「再開したら必ず行くね」という声が大きな励みになった。オンラインレッスンなど新たな試みにも取り組みながら、千葉県のスポーツクラブに対する休業要請解除などを受け、この日の再開を迎えた。
再開にあたり、店は感染防止対策を徹底した。受け付け前には非接触で検温。ランニングマシンを飛まつ防止パネルで仕切ったほか、マシンのそばには除菌シートを設置し、すぐに消毒できるようにした。ランニングマシンなど有酸素トレーニング時も含め全館マスク着用とし、「マスクをしていてもできる強度で」と呼び掛けた。
スタジオではインストラクターは利用者と対面せず、同じ鏡の方向を向くなど工夫。利用者同士で2メートル以上の距離を取れるように、床に目印も付けた。午後5時からの1時間は、館内一斉清掃と除菌のため、閉館する。
この日、利用者たちからは「家では機械を使った運動ができないので、久しぶりにできて気持ち良かった」「どうなのかな、という気持ちはあったが、来てみたら(感染防止)対策が徹底されていて、安心した」などの声が相次いだ。
小山さんは「お客様に安心して戻ってきていただけるよう、絶対に(感染者を)出さないという気持ちでやっていきたい」と、決意を新たにしていた。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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