新型コロナウイルスの集団感染が起きた大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号について、厚生労働省は20日、乗客の日本人2人が死亡したと発表した。神奈川県の80代男性と東京都の80代女性で、いずれも新型ウイルスに感染していた。クルーズ船の乗客が死亡したのは初めて。国内で感染者の死亡が確認されたのは計3人となった。
厚労省によると、男性は10日に発熱。11日に呼吸の苦しさが出てきたため医療機関に搬送された。12日に感染が判明。15日には人工呼吸器を着けたが肺炎が悪化し、20日朝に死亡した。死因は新型コロナウイルス感染症。ぜんそくの持病と狭心症の治療歴があった。
女性は5日時点で発熱があり、6日に船内で医師の診察を受けた。熱が続いたため12日に医療機関に搬送された。13日に感染が判明。14日に呼吸状態悪化で酸素マスクを着けたが、20日朝に死亡した。死因は肺炎。新型ウイルスによるものとみられる。持病はなかった。
同船では、乗客に客室内で待機してもらう感染防止策を始めた5日以降も感染が拡大しているのではないかとの指摘が出ている。厚労省は、死亡した2人が感染したのは、症状が出るまでの潜伏期間を考えると、5日より前だったとの認識を示した。
また、船内で業務にあたっていた厚労省の40代男性職員と内閣官房の30代男性職員の感染も新たに確認された。2人は11、12日にそれぞれ船に入り、同じチームにいた。都内の別々の医療機関に入院中という。
同船では20日、新たに13人の感染が確認された。これで乗客乗員約3700人のうち延べ3063人が検査を受け、感染者は634人となった。重症者は28人という。検査結果が陰性で症状のない乗客の下船は、19日に続き20日も実施され、計717人が帰途についた。(土肥修一)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル