郵船クルーズ 坂本深社長
11月2日、大型客船の飛鳥Ⅱによる船旅の提供を302日ぶりに再開します。横浜港を出て、清水港(静岡県)に寄り、横浜港に戻る3泊4日のクルーズです。1991年10月28日に初代の飛鳥が就航してから30周年が視野に入る中、本当に感慨深いです。
飛鳥Ⅱは、昨年12月26日から今年1月5日にグアム・サイパンへのクルーズを終えた後、シンガポールで改装・改造工事に入りました。2月中に終えて日本に戻り、3月中に国内クルーズを何回かした後、世界一周クルーズに出る予定でした。
その最中にダイヤモンド・プリンセス号で新型コロナウイルスの集団感染が起きたのです。さらに海外籍の大型クルーズ船が、複数の国で寄港を断られる事態も起きました。
2月24日に役員らを集め、クルーズの一時休止を決めました。翌日には、3月出発の国内クルーズと、4月2日に横浜港を出発する世界一周クルーズの中止を発表しました。船内や各国の寄港地で感染が広がり、港で受け入れてもらえなければ大変なことになると考えたのです。
11月からの再開にあたり、考えられる最高レベルの安全対策をとりました。
まずは感染者を乗船させない防御策です。乗船前、乗員はPCR検査を2回以上受けます。お客様には、PCR検査や体調などに関する質問票の提出、検温に協力いただきます。
それでも、お客様の場合、検体を採取してから乗船するまでの約1週間に感染する恐れがあります。そこで大事になるのが、船内での感染拡大の防止です。
乗客定員は872人ですが、まずは400人くらいから始めます。船内には食堂の入り口など、お客様がよく通る約20カ所に非接触型の体温の検温器を置きます。こまめに検温していただくことで、体調の異変の早期発見につなげます。
乗員は、お客様との接し方によって三つのステータスに分けました。お客様と接するクルー、そうしたクルーを指揮するクルー、そして、お客様とは基本的に接しない船の運航要員です。ステータスごとに居住エリアを分け、当面は1人1室にします。
「正直、利益は…」
さらに感染が疑われる人が出た…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル