放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会(神田安積委員長)は8日、TBS系のバラエティー番組「クレイジージャーニー」、テレビ朝日系の報道・情報番組「スーパーJチャンネル」の計2番組について、放送倫理違反の疑いがあるとして審議入りすることを決めた。
「クレイジージャーニー」は、8月14日の夜9時からの2時間スペシャルと同日のレギュラー枠、2回分の放送が審議入り。いずれも「爬虫(はちゅう)類ハンター」がメキシコで珍しい生物を探し、6種類の生物を捕獲する様子を放送したが、そのうち4種類は、制作会社のスタッフが現地の取材協力者に依頼してあらかじめ準備していたものだった。TBSによると、外部からの指摘を受け、過去の放送を調べたところ、ほか7回でも計11種類の生物をTBS社員が用意していたと判明。TBSの佐々木卓社長が9月の定例会見で謝罪し、先月、番組の放送終了を発表していた。
「スーパーJチャンネル」は3月15日放送の企画コーナーにおいて、スーパーの買い物客として取り上げた男女5人が、いずれも番組ディレクターの知人だったにもかかわらず、初対面を装うなどしていた。同局への匿名の情報提供で問題が発覚。先月、テレ朝は緊急の会見を開き、不適切な演出があったとして謝罪し、企画の終了を発表していた。
神田委員長は、両局が既に自主自律的な対応を取っているとしつつ、「放送倫理違反の程度によっては、自主自律的な対応をもってしても、看過できない放送倫理違反がある」と説明。今回の2事案に関して、「放送倫理違反の程度が大きい」と話した。(西村綾華)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル