グレる寸前だったきつね・大津さん 救った母の厳しく優しい言葉

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聞き手・高浜行人

 お笑いコンビ「きつね」のツッコミ担当、大津広次さん(33)は子どもの頃に両親が離婚し、母親に育てられたといいます。残された借金の返済に奔走する姿、非行に走る寸前で踏みとどまらせてくれた言葉。母との歩みや思いについて語ってもらいました。

多額の借金残し去った父 休日も働きづめの母

 僕が4歳ぐらいの時、おやじが多額の借金を残して出て行き、以来、働き詰めでした。平日の昼は会社で事務の仕事、夜は居酒屋で働いて、土日も工場に行っていました。

 幼稚園の迎えには居酒屋のバイトの大学生が来てくれて、その人の家でご飯を食べさせてもらって。3人きょうだいの末っ子なんですが、寝るときは部屋で一人、ということも多かった。寝ている姿はほとんど見たことがありませんでした。ある時ふと起きるとお母さんが布団で寝ていたんですが、初めて見たので死んだと思ってわめき散らしてしまいました。

 小学校になると経済状況が少しましになったんですが、性分みたいで仕事は続けていました。僕は日中は友達を呼んで遊戯王カードをやったり、飼っているアロワナなんかの魚を見たりしていました。どこかに連れていってもらった思い出はもちろんないです。でも、一緒にいるときは笑顔でいてくれて、特別寂しいとは感じていませんでした。小4の運動会のリレーでこけてしまったんですが、そのことをゲラゲラ笑ってくれて、楽になりました。

学校でのストレスぶつけると母は…

 大事な時にしっかり導いてく…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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