コイントスで表か裏が出る確率は50%ずつ――。そう信じられてきたコイントスが、実は「公平」ではないと、オランダなどの研究チームが35万回以上試して実証した。投げる時に上になっている面が出やすいのだという。
偶然に任せて物事を決めるコイントスは、いかさまがない限り、表と裏が出る確率は同じだと考えられている。
コイントスは力学の法則に従う。どの面が出るかは、はじく位置、上向きの力、角運動量などの初期条件によって決まるため、それを制御するのは難しいはずだ。
直感に反する予言、きっかけは16年前
2007年、米スタンフォード大の数学者たち3人がコイントスの物理を分析した(https://doi.org/10.1137/S0036144504446436)。
ハイスピードカメラで撮影したところ、コインははじく親指によって微妙にぐらつくことがわかった。コマの首振り運動のような動きを、空中に舞ったコインもする。その結果、投げる時に上を向いていた面が、空中で上を向く時間がわずかに長くなるという。
計算上、最初と同じ面が出る確率は約51%――。数学者たちはそう予測した。
アムステルダム大で統計学を学生に教えている大学院生、フランティシェク・バルトスさん(27)は「常識に反する予測なので興味を持った」と、この実証に挑戦した。
46種類のコインを計35万757回投げて集計したところ、投げる前と後の面が同じになる確率は50・8%だった。50・0%よりわずかに多い数字だが、統計的に有意な値で、偏りがあることが判明した。一方、コイン自体に、表と裏のどちらかが出やすいという偏りはなかった。
■12時間ぶっ続けコイントス…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル