SDGs(エスディージーズ)は国連が掲げる「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals)です。環境、社会、経済など国際社会に共通する17分野のゴールと169項目のターゲットがあり、2030年が達成目標とされています。
そのときに主役となる若者世代がSDGsについて学び、実践する様子や教育現場の事例をSDGs専門メディア「SDGs ACTION!」と連携して紹介します。
カラフルな17の目標
2月末、東京電機大中学校(東京都小金井市)の教室。3年生の社会科の授業で、31人が3~5人のグループに分かれて座る机の中央に、池田巧教諭(36)が大きな紙と、SDGsの17目標のカラフルな付箋(ふせん)を配って回った。
紙には「中高生のための朝日SDGsジャーナル」にある記事がまとめられていた。その内容は「ヤングケアラーだった過去を語る女性」「アフリカ・コンゴ民主共和国の鉱山で弟を亡くした男性」「子どもへの暴力を防ぐ教育プログラム」で、元は朝日新聞に掲載された記事だ。
生徒たちは前日の授業でこれらの記事を読み、心が強く揺さぶられた部分にその感情を書いた付箋を貼っていた。
この日の授業ではまず、記事に登場する人物や国などをそれぞれ一つ選び、対応すると考える目標の付箋にその理由を書き込む作業に取りかかった。書き込む内容に少し考え込んだり、手に取った付箋を戻して別の付箋を選んだり。真ん中に置かれた紙に、次々と付箋が貼られていく。
付箋を貼り終えたらグループワーク。その人物や17の目標のうち、該当するものを選んだ理由をグループ内で発表し合った。
「かわいそう」の視点をずらす
「貧しいせいで子どもが働かなければならない状況を変える必要があるから1(貧困をなくそう)」「同じ年の子に比べて勉強をする時間がないことを変えなければならないと思うから10(人や国の不平等をなくそう)」――。お互いの意見を聞きながらうなずいたり、へぇーという声が上がったりしていた。
次に池田教諭は、見る角度によって四角形や円に見える円柱を例に挙げ、「意図的に目の付けどころや視点をずらし、自分が気に留めていなかった人物やものを見つけ出して付箋をつけてみよう」と投げかけた。
改めて記事を読み直す生徒た…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル