コロナ「中等症」、100件以上入院を断られ 救急搬送困難の結末は

 「ちょっと厳しいな……」

 救急隊員が去ったあとの部屋で、「ひなた在宅クリニック山王」の田代和馬医師(32)が小声でつぶやいた。

 ベッドに横たわる男性の指先につけたパルスオキシメーターが示していたのは、血液中の酸素飽和度93%。酸素を吸入してもなお、「中等症」の状態だった。

 苦しそうにうめく男性に、田代医師が言葉をかけた。「引き続き入院調整をかけていくからね。一緒にがんばろう」

 ただ、救急隊員による入院依頼は100件以上断られ、男性が入院できる可能性はほとんど残されていなかった。

    ◇  ◇    

 先月28日、東京都内で訪問診療をする「ひなた在宅クリニック山王」の田代和馬医師(32)は、東京都品川区に住む男性患者(83)の自宅を訪ねた。末期の大腸がんをわずらっていたが体調は良く、「コロナが落ち着いたらボウリングをしよう」と楽しみにしていた。

持病ある高齢男性 急変で抗原検査をすると…

 ところが2、3日前から急に…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment