TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。5月13日(水)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、弁護士の倉持麟太郎さんが“検察庁法改正”について述べました。
◆検察庁法改正は憲法に反する!?
Twitter上で5月9日~10日にかけ、「#検察庁法改正に抗議します」の投稿が500万件を突破。どれも検察官の定年を延長することへの異議ではなく、政権が認めた人物に限り定年延長も可能になる特例への異議で、これにより三権分立が崩れかねないと懸念されています。
この一件を倉持さんは「3層構造になっている」と言います。第1層は「政治的意図という問題」で、渦中の黒川検事長と官邸との繋がりが取り沙汰されていますが、倉持さんは法律家のため推測の域を出ず、今回は第2層の「法律論的な問題」と第3層の「制度論的な問題」について言及。
まずは「法律論的な問題」。今回、何が違法かと言えば、「大きくは中身と手続きの問題」と倉持さん。中身については、これまで政府は国家公務員法により検察官の定年延長は適応しない見解だったにも関わらず、黒川さんの属人的な理由で延長可能と解釈変更をしたこと。倉持さんは「政府は法改正がなければできないと言ったことを解釈だけでやった」と指摘しつつ、「立法権がやらなければならないことを行政権がやった。これは事実上、憲法41条に反するという話がある」とも。
また、この改正案は複数の法案がパッケージされていますが、2019年10月に議論されていたものとは異なり、今年1月に黒川さんの定年延長について追加。そして、そこには3つのポイントがあり、1つは「定年年齢を一律引き上げること」。これは問題になっていませんが、残りの2つ「個別に勤務延長できる」、「役職を維持させるという形態で内閣と法務大臣がそれを決めて延長することができる」が問題に。つまり、定年延長と役職維持をする人、しない人を内閣が選べ、「そうなると例えば人事権を通じて内閣が検察の独立性に手を入れてしまう、検察官の独立性が弱まるんじゃないかと言われている」と警鐘を鳴らします。
次に手続きに関しては、年頭に森法務大臣のあやふやな答弁や撤回に次ぐ撤回、ひどい言い間違いなどによって国会審議がメチャクチャな状態になったこと、さらには人事院や内閣法制局への法令審査もなされていなかったことを挙げます。
◆コロナにより政治が日常化!?
そして、倉持さんが特に問題視していたのが「制度論的な問題」。日本の現行の法体系では、「制度論的なものが違法なとき、ストレートに争う制度がない」と倉持さん。そのため今回も定年を延長しただけなので争う手段がないそう。そこで倉持さんは検察の人事を「しっかり制度化した方がいい」と言い、「なんとなく不文律でやり“人の支配”になっていたので“法の支配”に」と提言します。
なぜ今回大きな問題になったかと言えば、みんながコロナで自粛し我慢しているなか権力者が勝手なことをしている、そのフラストレーション、不公平感が要因と倉持さん。さらにはTwitterの参加しやすさなども挙げ、総じて「コロナが政治を日常化した」と主張。
MCの堀潤は、内閣や大臣に人事権が発生すると安倍政権以降もすり寄る人が出てくることを危惧すると、倉持さんは「人事権をいかに独立させるか、違法な運用があった場合の対処、それこそ国会の仕事であり、立法で作るわけだから、批判だけでなく創造的な制度、誰が権力を握っても維持できるような制度を作ってほしい」と訴えていました。
番組では、視聴者に「コロナ感染拡大で政治への関心が高まりましたか?」というテーマで生投票を実施。結果は以下の通りです。
◆コロナ感染拡大で政治への関心が高まりましたか?
高まった……1,578票
変わらない……1,305票
興味がなくなった……432票
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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