2016年の熊本地震からまもなく4年。熊本県南阿蘇村にキャンパスがあった東海大農学部(熊本市)の当時の1年生約200人は、その多くが入学直後に被災し、村の下宿先から引っ越さざるをえなかった。19日に予定されていた卒業式は新型コロナウイルスの影響で中止になったが、思いもよらぬ人たちからビデオレターが届き、「第二の故郷」へ思いを募らせた。
卒業生の井手良輔さん(23)は19日、大学から4年生全員に送信されたメールのリンク先にある動画を見て、ある人の姿に釘づけになった。
「コロナウイルスで卒業式も送別会もかなわず、さみしい思いをさせました」
「入学してきた時、楽しい生活になると思い描いたんですけど、何もしてあげられないまま(地震で)出て行くことになって残念でした」
「4年前の2週間、たった2週間でしたけど、私たちにとっては4年以上に感じます」
地震前まで南阿蘇村黒川地区で下宿を営んでいた、大家の女性ら13人からのビデオレターだった。井手さんの下宿の大家だった橋本士信(しのぶ)さん(59)が、時折言葉を詰まらせながら話す姿もあった。井手さんは「ここまで僕たちのことを思ってくれてたなんて。もっとおばちゃんと暮らしたかった」。涙がこぼれた。
福岡市出身の井手さんは16年…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル