三浦淳
新型コロナウイルスの影響で、海外で学ぶ日本人留学生が減っている。文部科学省によると、コロナ禍が直撃した2020年度は調査を始めた03年度以降、過去最少の1487人だった。文科省は、5年後の27年までに、コロナ禍前の10万人超の水準に回復させるとの目標を打ち出した。ただ、対ドルで円安が進むなか、留学への影響を懸念する声も出始めた。
文科省によると、調査を始めた03年度の日本人留学生は1万5564人だったが、年々増加。11年度に5万人を超え、18年度は過去最高の11万5146人まで増えた。19年度も10万7346人だったが、20年度は19年度と比べて98・6%も減ったという。
文科省は、日本人留学生の回復に向け、企業や個人の寄付を原資に奨学金を出してきた事業「トビタテ!留学生JAPAN」を拡充させる方針だ。大学生だけでなく、高校生の留学支援も強化していくという。
一方、今月22日に開かれた文科相の諮問機関・中央教育審議会の分科会では、委員から円安と留学について、「影響が大きいのではないか」「学生が留学するリスクが増えているのでは」との意見が相次いだ。文科省の担当者は「今後、どこまで円安が進むのか読めない。日本人学生の留学を増やせるよう、できる工夫を考えたい」と話す。(三浦淳)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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