「毎日牛乳をもう(モ~)1杯。育ち盛りは、もう(モ~)1パック」。牛の着ぐるみ姿の農林水産省の職員が、YouTubeで消費拡大を訴えたのは4月。新型コロナウイルスの影響で休校となった学校給食や外食産業への牛乳の出荷が落ち込み、原料の生乳が大量に余りそうになったからだ。しかし今は一転、それが足りなくなる恐れがあるという。一体何が起きているのか。
牛乳は、酪農家が牛から絞った生乳を加熱・殺菌処理してつくられる。チーズなどの加工品と違い、日持ちがしないため、消費地の近くでつくるのが一般的だ。乳業メーカーは全国各地に工場を構え、酪農家から出荷される生乳を仕入れている。
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この生乳の供給バランスが崩れつつある。広大な土地に恵まれた北海道では生産量が増え、2019年度は409万トンと全国の55.6%を占める。ところが北海道以外の地域では酪農家の廃業が加速している。この20年間で北海道の生産量は1割増えたが、他の都府県では3割以上も減った。
北海道での生産が増えても、生乳の「日持ちがしない」という特性から、北海道以外の生産減少への対応は難しい。そして、実際に影響が出かねない時期が近づいている。それが9月だ。
乳牛は暑さに弱く、夏は生乳の…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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