コロナ禍で売り上げが落ち込んだ京都府宇治市の製菓会社が、主力のアメと布マスクとのセット商品を「アメトマスク」と銘打って4月半ばに売り出した。すると、「おいしいアメと素敵なマスクのうれしい組み合わせ」と評判を呼び、注文が集中し、「V字回復」を果たした。
1964年創業の岩井製菓。地釜で少量ずつ時間をかけ、直火で丹念に煮る製法で作り出された京飴(きょうあめ)は、香ばしい風味と品のある色や形が特長で、長年親しまれてきた。
売り上げが減り始めたのは2月ごろから。3月後半には例年の半分以下に落ち込んだ。作ったアメを売る場所や卸す先がなく、従業員の出勤日数は週5日から2日程度に。「創業以来最大の経営危機」に直面した。
拡大する自宅でマスクを製作する従業員の女性=岩井製菓提供
そんな矢先、岩井正和社長(50)が知り合いの和雑貨屋の社長から「布マスク置いてみーひんか」と持ちかけられた。和雑貨屋の手作りマスクを、直営の茶店で50個ほど販売。反響は大きく、売り上げの全てがマスクという日もあった。
「うちは元々アメ屋なんやけど……」。複雑な思いを抱いた岩井さんは、のど飴とマスクをセットで販売することに決めた。
すぐに準備に取りかかった。セ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル